試験の得点とその分布を利用した生徒の授業に対する理解度把握手法の提案
雑誌・プロシーディングス名: 第 9 回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム (DEIM2017) 最終論文集
開催地(都道府県): 高山
国名(英語): Japan
言語: Japanese
出版年: 2017
出版月: 3
出版日: 2017-03-08
概要
現在の教育現場では各生徒に合わせた指導を行うことが重要視されており,個別の指導を実現するために e ラーニングを用いた個別指導や少人数指導などが行われている.個別指導を行うにあたってあらかじめ理解度を把握しておく必要があり,生徒の理解度把握の手段として S-P 表が利用されている.しかし従来の S-P 表は正解・不正解で採点する試験の回答データ(二値の回答データ)にのみ対応しているため,多肢選択式問題と記述式問題で構成された試験の回答データ(多値の回答データ)に対応していないという問題点がある.そこで本稿では教育現場で実施されている多値の回答データに対応する多値 S-P 表を提案し,二値 S-P 表と同じ性質を持たせ,二値 S-P 表よりも各生徒の理解度を正確に診断することを目指す.多値 S-P 表と二値 S-P 表で各生徒に対する理解度診断の精度を比較した結果,二値 S-P 表よりも多値 S-P 表の精度が上回る結果となった.これより提案した多値 S-P 表は二値 S-P 表よりも生徒の理解度を適切に把握できると結論付けることができ,教師の授業改善に貢献できると言える.また,多値S-P 表で提案した各生徒の理解度をグルーピングする手法を提案することで試験の得点だけからでは知ることができない生徒の特徴把握も実現できた.
引用情報
福島 紫織, 塩井 隆円, 楠 和馬, 波多野 賢治, 試験の得点とその分布を利用した生徒の授業に対する理解度把握手法の提案, 第 9 回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム (DEIM2017) 最終論文集, 2017-03-08.