食に関する異種グラフを用いた料理の栄養価推定

概要

現代社会において人の健康状態の把握は必要不可欠な課題であり，健康状態の把握に直結する食事管理は重要事項の一つである．食事の管理には食事の栄養価を計算することが必要不可欠だが，その計算は，各食材に含まれる栄養素に関する専門的な知識を元に計算する必要があるため容易ではない．食にまつわる知識を計算機に学習させることができればその実現に一縷の望みがあるが，未だその方法は確立されていない．そこで本研究では，複数のデータ資源から得られる料理レシピ・その食材・食材に含まれる栄養素・その栄養素を構成する化合物の関係性を元に異種グラフを構築し，各料理レシピの栄養価を推定する手法を提案する.料理レシピと化合物までの関係性を考慮し異種グラフを構築し，その構造にしたがって学習処理をすることで，どの化合物がどの料理レシピの栄養価に影響を与えるかを把握でき，正確な栄養価推定が可能になる．料理レシピの栄養素のうち，タンパク質・脂質・飽和脂肪酸・糖質・ナトリウム・熱量（エネルギー）の値を推定し，その正確さを評価する．

引用情報

吉丸 直希, 楠 和馬, 木村 優介, 波多野 賢治, 食に関する異種グラフを用いた料理の栄養価推定, 第17回データ工学と情報マネジメントに関するフォーラム予稿集, No.9J-04, 2025-03-01.