学部生募集

配属希望の学部生に向けて

弊研究室では,計算機でデータを利活用することに興味を持ち,社会貢献に繋がる課題に取り組みたいと考えている学生を募集しています.

今年度,研究室配属のための教員面談予約可能期間は,2024/9/9~27となっています. また,予約期間内であっても,授業や業務の都合で面談実施ができない場合もありますので,面談予約は早めにお済ませください.

研究室配属の事前課題

1.教員面談予約

波多野先生宛にメールを送り,面談日時の調整を行ってください.メールアドレスについては,説明会資料を参照してください.また,面談までに,以下の2~4の課題を実施する必要があることに注意してください.

2.大学院生主催の研究室説明会に参加

教員面談の予約が完了した方に別途案内をお送りしますが,教員面談を受ける以前に研究室説明会に参加できるよう,スケジュールを調整してください.

3. paizaプログラミングスキルチェックを完了

paizaプログラミングスキルチェックで公開されている問題番号 C015, C040, C061, C025, C029, B108, B128 のうち 3題を合格して出してください.一度目で正解を導くことができなくても,何度も再チャレンジして最終的に合格できれば問題ありません.

なお,教員面談時には,3問のうち1問を教員の前で説明してもらいます.これは近年登場したChatGPTなどの生成系AIによる影響を加味したものです.面談時にコードレビューを行うことで,プログラミングの基本的な概念を正しく理解しているかを把握します.教員面談時には作成した3問のコードをラップトップPCに表示,もしくは紙に印刷するなどして教員に見せることができるように準備してください.

4. 研究室への志望理由資料作成

研究室への志望理由や卒業研究として行ってみたい研究内容を自身の言葉で説明できるよう,資料を作成し,それを教員の前で発表できるよう準備しておいてください.資料の形式は問いませんが,紙媒体で教員に渡せるよう準備をお願いします.卒業研究のテーマは比較的自由に決定が可能ですが,最も重要なのはその研究を行う意義,研究としての適度な難しさがあるかどうかです.テーマ設定や資料準備にあたっては,弊研究室大学院生や学部生に相談することも可能ですので,適宜,MK502 に来室してください.

5. 教員面談実施

上記の課題を完了させ,教員との面談に臨んでください.プログラミング課題のコードレビュー,研究室への志望理由のプレゼンテーション,その他マッチングのための質疑が面談の主な内容です.面談の際には,必ず教員コンタクト表を持参してください.

私たちの研究室について

メンバ

2024 年 7 月末現在, 指導教員である波多野先生の他に教員 1 名,研究員 1 名,博士後期課程 4 名,博士前期課程 2 名,4 年次生 4 名,3 年次生 11 名の 23 名で活動しています.詳しくは,現メンバのページをご確認ください.

研究分野

データの利活用とその管理に関するテーマを中心に研究をしています.機械学習・AI に関連するテーマが全盛である現在,入力として使用するデータ生成の効率化や精緻化,低コスト化はとても重要な研究テーマです.研究内容の概要についてはこちらのページをご覧ください.

社会人に前に踏み出す力と考え抜く力が求められる現在,社会的意義のある課題に対して,頭をフルに使って課題解決を図るテーマを研究対象とするのが弊研究室の特徴です.料理や SNS といった自身の興味のある身近なことがらでも研究対象とできます.最近の研究については,業績一覧から確認が可能です.

ラボメンバに必要なスキル

弊研究室で取り扱う分野で研究を行うには,文化情報学部で学ぶデータサイエンス系科目の他に,卒業研究で取り組みたいテーマに関連する知識が必要です.

関連科目

メディア情報学研究室への配属を希望する場合,卒業までに以下の講義内容の知識は最低限必要となってきますので,なるべく早い段階で履修し,単位を修得しておくことをお勧めします.

履修しておくべき科目
  • プログラミング入門
  • プログラミング基礎
  • プログラミング応用
  • コンピューターの仕組み
  • データベースシステム
  • 情報アクセス技術
  • アルゴリズムとデータ構造
  • 情報理論
  • 情報倫理
  • 線形代数
  • 離散数学
  • 論理と数理
  • 確率・統計
テーマによっては履修が必要な科目
  • 翻訳解析
  • テキストマイニング
  • インターネット技術
  • 情報セキュリティ
  • 決定理論
  • ヒューマンコンピュータインタラクション
  • 時系列解析
  • 最適化法
  • ベイズ統計
  • 機械学習
  • データマイニング

また,近年同志社では数理・データサイエンス・AI関連の科目をまとめたDDASHプログラムが開始されています.弊研究室に関心のある人には是非お勧めしたいプログラムです.

勉強会

既存の仕組みの問題点を計算機で解決し,その効果を検証するためのプログラミング能力も必要です.これらの知識や能力を研究室配属当初から持っている人はおらず,研究室配属後に開かれる勉強会で身につけていきます.過去開催された勉強会についてはこちらから確認可能です.

進路

文化情報学部の学生は 4 年次で就職する傾向が強いです.もちろん,自分自身でキャリアパスをしっかりと描け,それに向かって進もうとした結果が 4 年次で卒業して就職することであればそれで良いと思います.

しかし,「皆が就職しているから」とか「親が就職を勧めるから」という理由で何気なく就職をしようと考えている人は,自分自身の将来のキャリアパスを自分の頭でしっかり考える必要があります.

AI 技術を元にあらゆる処理の自動化・効率化が進むこれからの時代,専門的な勉強をすることは非常に重要になってくるでしょう.そのため,答えのない課題に率先して取り組むことができる人材を育てることが大学の大きな役割です.卒業研究は,課題に取り組み,さまざまな検討を行う過程を繰り返すことの重要性に気づくきっかけになり得ると弊研究室では考えています.

研究室に配属され実際に研究を進めるまでは,そうした過程の重要性に気づくことはできません.弊研究室での指導を受けていく中でその重要性に気づいた結果,自分の能力に磨きを掛けようと大学院進学を決意した学生は数多くいます.
実際,大学院に進学し研究実績をあげた場合のほうが,就職活動でしっかりと人物評価が行われ,理想のキャリアパスを歩むことができることも事実です.

弊研究室では博士課程(前期課程)への進学をも見据え,それに十分耐えられるよう,研究テーマ設定等の教育・研究指導を行っています.そのため,情報学分野での大学院進学を考えている人にはうってつけな環境です.先輩方の就職先・進路については,こちらで詳しく見ることができます.

さいごに

計算機を扱うことに興味があり,新しい技術を使ってみたい/産み出したい,そのために頭をフル回転させて課題解決に向けて最後までやり遂げたいと思う学生は,是非,メディア情報学研究室の扉を叩いていただければと思います.

研究室から羽ばたくときには自分自身の成長に驚くことになるでしょう.教員,学生一同,あなたの来訪をお待ちしています!


Q&A

Q: 文系入学ですが卒業研究はやっていけますか?

A: はい.同じ様な質問に「プログラミングが苦手ですが大丈夫ですか?」などがありますが,どちらも「やるぞ!」という熱意があれば大丈夫だと思います.「継続は力なり」という言葉がありますが,自らの頭で考え経験を積んでいけば,必ず道が拓けてきます.途中で諦めないことが大切だと思います.

Q: 研究室にはどれくらい行く必要がありますか?

A: 卒業研究に真面目に取り組めば取り組むほど,研究室メンバとの相談回数は増えるので,自ずと来室日数は増えることになります.いくら Microsoft Teams や Discord,Slack といったオンラインツールが発達したとしても,コミュニケーションが十分にとれなければ研究はなかなか進まず,3 年次生が主に参加するコンペティションや 4 年次生になってからの中間発表,研究計画書の執筆,夏合宿,コロキアムでの研究発表,卒業論文の執筆,卒業研究試問会などで,卒業に相応しい実績を残せないからです.

Q: やりたい研究ができますか?

A: はい.基本的には自分でやってみたい研究テーマを自ら考え,卒業研究のテーマとしてもらう指導方針ですので,やりたい研究はできるかと思います.ただし,やるからには何のためにその研究を行う必要があるのか,その研究がうまくいった暁には社会にどのような形で還元することができるのかという,研究を行う上で最も重要な研究的な意義や社会的意義が論理的に説明できる必要があります.つまり単に「この研究がしたいから」という個々人の満足感を得るためだけのテーマでは研究として成立しないということです.

なお,担当教員の専門とあまりに離れた研究テーマだと,卒業研究を行うための十分なアドバイスができない,そもそも実施ができない可能性があります.ですので,弊研究室で行われている研究がどのようなものかをあらかじめ調べ,それらとのマッチングはしっかりと行って頂きたく思います.

Q: 修士には進学せず就職予定なのですが,構いませんか?

A: はい,かまいません.配属が決まってから卒業までの 2 年と少しの間,研究室の研究活動にしっかり参加してもらえればそれで結構です.ただし,就職活動が長引いてしまうと研究に使える時間が少なくなり,卒業研究を進められない可能性がありますので,早めに就職先が決まるよう就職活動を行う際はいつになく真剣に取り組んでもらえればと思います.

ただ,研究室の立場としては就職ももちろん良いですが,専門職人材としてのキャリアを歩むというのであれば,博士課程(前期課程)への進学をお勧めしています.失われた30年といわれているVUCA時代に,学部新卒で急いで就職しても,これまでのような安定した働き方ができるとは限りません.他の学生と同じように就職しなければならないという呪縛にかかるのではなく,専門的なスキルを学びそれを使いこなせる人材になるという主体的なキャリアパスを築いていくという意味で,進学は決して無駄にはならないと考えています.

Q: 大学院への進学の意味を教えて下さい.

A: 大学院に進学するか否かは,ご自身の将来のキャリアパスによって異なります.大学院へ進学する学生の多くは理系の学生と思われているかと思いますが,それはキャリアパスとして企業に属して開発や研究を行いたいと考えている人が多いからです.つまり,専門職人材としてのキャリアパスをお考えなのであれば,直上の Q&A で説明したように大学院への進学を視野にいれたほうがよいということになります.

日本の多くの企業には本当の意味での技術者が圧倒的に不足しているため,どの企業もそのような人材を得たいと思っているのですが,そうした専門職人材にふさわしいと判断出来る根拠となる実績が得られるのは,学部 4 年次から大学院にかけて行った研究成果になります.情報系では国際会議での発表や学術雑誌への論文掲載などがそうした研究実績に該当しますが,そうした実績を有した人材を専門職として採用する傾向が強いように思います.

文化情報学部は,他の大学と同様,1,2 年次で基礎知識,3 年次で専門知識,4 年次で研究活動といったカリキュラム構成になっています.しかし,4 年次は就職活動の時期と重なってしまうことが多く,ほとんど研究実績を積むことはできません.その状態で企業が専門職の人材を採用することはほとんどないと言って良く,結局,そのような人材になりたいと思うのであれば,大学院へ進学する道を選ぶこと,これがいわゆる理系学生が大学院に進学する理由となっていると思います.

Q: 他大学の大学院に進学したいのですが,構いませんか?

A: はい,かまいません.ただ,教員の個人的な意見では,博士後期課程への進学を考えているならまだしも,博士前期課程の 2 年間のためだけに研究環境を変えることはお勧めしません.これは,環境を変えることの大変さ,博士前期課程で求められる研究の高度さを考えると,2 年間の研究期間はあまりにも短いからです.博士前期課程を修了して就職をするのであれば,2 年次生後半から博士前期課程修了までの 4 年半を同じ環境で研究を継続することのほうが遙かに効率的です.弊研究室の就職実績は他大学大学院の就職実績に引けを取りません.

なお,担当教員の専門分野外のテーマで大学院で研究を行いたいと考えている場合は,その限りではありません.その場合は,その分野と弊研究室の研究に近いテーマを模索し,卒業論文のテーマに選ぶとよいでしょう.

Q: 数理・統計・情報系の研究室への配属を希望していますが,正直,これらの研究室の違いがわかりません.
A: 文化情報学部ではデータサイエンスというキーワードでひとまとまりにされているので,確かにその違いを認識するのは学部生にとっては難しいと思います.しかし,学問的には数理科学 (複雑システム科学研究室 (阿部先生)),統計科学 (統計科学研究室 (宿久先生),データ駆動科学研究室 (中西先生)),情報科学 (計算情報学研究室 (深川先生),マルチメディアコンピューティング研究室(井本先生),弊研究室) に分かれます.

数理科学は数学とその周辺の学術分野を表すかなり広い学問分野を指しますので,実は統計科学をも含んでいると言えます.統計科学は経験的に得られたバラツキのあるデータから,数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす学問分野といえるでしょう.一方,情報科学は最近日本では情報学と呼ばれることが多くなりましたが,情報と計算の理論的基礎,およびその計算機上への実装と応用に関する研究分野を表しています.弊研究室の学問領域と統計科学とは,情報抽出の方法論の一つに統計量に基づくものがあったり,数値上の性質や規則性あるいは不規則性を見いだす方法論を計算機上で効果的・効率的に行うという点で重複しており,ご自身がどの部分に興味を持っているかによって,それらの違いを明確にできるのではないかと思います.

なお,同じ情報科学という分野で考えれば,計算情報学研究室とマルチメディアコンピューティング研究室,そして弊研究室は,卒業論文で扱う内容の観点ではそれほど違いを見出せないと思います.強いて言えば,基盤技術に近いのは計算情報学研究室と弊研究室,アプリケーション開発に近いのはマルチメディアコンピューティング研究室といった具合です.実は後者の分野になれば,ソーシャルロボティクス研究室(飯尾先生)や人文情報学研究室(河瀬先生)も選択肢のスコープに入ってくるでしょう.

明確な違いが出てくるのは,大学院進学を考えるときになるかと思いますので,大学院進学を本学大学院文化情報学研究科で考えているのであれば,配属希望面談で教員に相談してみるとよいでしょう.

Q: 配属希望面談で研究計画について考える必要があるということですが,現状で何をしたいのかまで想像がつきません.どうすればよいでしょうか?

A: この研究計画は,細かい研究内容を聴きたいのではなく,日常生活の中で皆さんがどういうことに対して興味を持っており,その興味をどう研究室選択に活かそうとしているのかを判断するために伺う必要があるのです.一つ上の Q&A にデータ科学基盤コースは数理科学,統計科学,情報科学で構成されていると言いましたが,皆さんの興味がどの分野に興味があるのかを判断し,その興味から弊研究室とのマッチング度合いを測っているのです.難しいことを考えなくても良いので,「こんなことが卒業論文のテーマできたらメディア情報研究室のメンバになれるかな」を念頭に置きながら志望理由や研究テーマを考えてみてくれたらいいと思います.