4 年次生における研究活動
4 年次生における研究活動のメインは,なんと言っても卒業研究です.卒業研究は 1 年で行う壮大なプロジェクトと言っても過言ではなく,卒業研究を完遂するためにはシラバスに書かれているさまざまな関門を通り抜けなくてはなりません.既に冬の研究調査報告会 (B3) で卒業研究のテーマの方向性はだいたい定まっていると思いますが,それを最後まで走りきれるかどうかは,実際に研究を進めてみないとわからないところがあります.
したがって,どのような状況になろうとも研究活動を円滑に行うためには研究体制で述べたように,研究室のメンバと毎週研究ミーティングを密に行い,起こりうる問題に迅速に対応する必要があります.当然,求められるレベルも 3 年次生のときとは異なるのでその点はしっかりと認識しておく必要があります.なお,2023年度より,副担当教員の制度がなくなったことから,これまでとは大幅に卒業研究のあり方が変化することになりました.そのため,基本的には以下の要件を満たすことが卒業研究I,IIの合格には必要となります.詳しくは自分が卒業研究を実施する年度のシラバスの内容を確認のこと.
- 4月始めから7月末までの間に15回,資料を用意した上で,教員・大学院生とディスカッションをすることを前提としたミーティングを実施する.必修科目ということもあり2/3以上,つまり最低10回のミーティングが実施されなければ卒業研究IがFとなる.
- 6月半ばの週末(土日)に中間発表を行い,参加者からのコメントをを貰い,研究計画書を書く際の材料とする.
- 中間発表の練習は修士学生とB4を含めて行うこと
- 研究計画書を執筆し,期日までにe-classに提出する.未提出の場合は,卒業研究IがFとなる.
- 研究計画書の体を成しているかが重要(参考:レジュメの書き方)
- 9月末から1月第3週までの間に15回,資料を用意した上で,教員・大学院生とディスカッションをすることを前提としたミーティングを実施する.必修科目ということもあり2/3以上,つまり最低10回のミーティングが実施されなければ卒業研究IIがFとなる.
- 11月半ばの週末(土日)に中間発表を行い,参加者からのコメントをを貰い,卒業論文を執筆する際の材料とする.
- 中間発表の練習は修士学生とB4を含めて行うこと
- 卒業論文を執筆し,期日までにe-classに提出する.未提出の場合は,卒業研究IIがFとなる.
- 卒業論文の体を成しているかが重要.基本的にはレジュメの書き方と同じだが,評価実験を行って得られた結果をどのような考察ができたかを,論理的に説明できなければならない.
- 卒業論文の内容を,学外の各種学会が主催する研究会等で発表することを推奨している.最低限,学部が設置している文化情報学会の学部ポスター発表会での発表を行わない場合は卒業研究IIがFとなることがあることに注意する.
- 卒業論文の内容を試問会で発表し,質疑を受ける.メディア情報学研究室では,ゆくゆくはこの試問会を1月の週末に開催する研究調査報告会の中で行うこととなるため,研究調査報告会での研究発表を行わなかった場合は,卒業研究IIがFとなる.
なお,3 年次生のときに,ジョイント・リサーチにおけるデータ分析をする際に,4 年次生や博士課程(前期課程)の先輩方にいろいろアドバイスを頂いたことを覚えているかと思います.これは 4 年次生になれば,3 年次生がジョイント・リサーチに取り組む際の相談役(メンター)を 4 年次生が担うことになっているからで,ジョイント・リサーチでぶつかる壁は過去の参加者にも共通する点が多いこと,そして院生・教員だけでは指導できる時間に限界があることが主な理由です.3 年次生のメンターになるのと同時に,4 年次生に対してもメンターにもなることで,自分でも気づかなかった問題点に気づく(人の振り見て我が振り直せ)こともあるので,研究発表が行われるイベントの際は,率先してコメントを出せるように努力をしていきましょう.最初は大したコメントはできないかと思いますが,自分が受けたコメントを思い返していくと,どのようなコメントをすべきかはわかってきます.そうした訓練をしていくことが皆さんのクリティカルシンキング能力を伸ばすことにも繋がっていきます.クリティカルシンキング能力を上げるためには以下のような本を読むと良いかもしれません.
- 安宅 和人 『イシューからはじめよ-知的生産の「シンプルな本質」-』 (英治出版、2010)
- 安斎 勇樹,塩瀬 隆之 『問いのデザイン-創造的対話のファシリテーション-』 (学芸出版社、2020)
- 戸田山 和久 『最新版 論文の教室-レポートから卒論まで-』 (NHK出版、2022)
院生・先生から過去にアドバイスされた研究のポイントを思い出して参考にしつつ,指導する立場に立つことで,自身の知識としてより定着させるという狙いがあるので,こうした後輩に対する活動も勉強会の開催なども含め,率先して行ってください.
おおよその年間スケジュール
時期 | イベント |
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4月中旬 | ジョイント・リサーチ |
5月中旬 | マーケティング分析コンテスト参加表明 |
6月初旬 | LOD チャレンジ参加表明LOD |
6月中旬 | JR1 中間発表 |
6月下旬 | B4の中間発表(聴講) |
7月下旬 | JR1 最終発表 |
8月中旬 | Hack U 夏 |
9月中旬 | 研究調査報告会発表(B3・夏) |
9月下旬 | JR2開始,参加部会の決定 |
10月下旬 | IDRユーザフォーラム申込締切 |
11月下旬 | IDRユーザフォーラム発表 |
12月上旬 | データ分析コンペ中間発表,JR2 中間発表 |
1月上旬 | 研究調査報告会発表(B3・冬) |
1月下旬 | 文化情報学会発表 |
1月下旬 | JR2 最終発表,試問会聴講 |
2月上旬〜 | キャリアパスの決定(就職活動・院試準備) |
2月下旬 | データ分析コンペ会最終発表 |
3月上旬 | Huck U 春 |
4月初旬 | 研究ミーティング開始(B3) |